Mさんが車でいつもと同じ峠道を通って帰宅していたときです。対向車線にヘッドライトの光が見えたのですが、なかなか対向車は近づいてきません。何かトラブルで停車しているのかなと思いつつ車を進めていると、光は急激にまばゆさを増し、辺りは昼のような明るさに包まれました。Mさんは急いで車を止め、光の中心あたりを薄目を開けて観察すると、そこには見慣れない形の物体があり、やがてその中から人型のものが降りてきました。その人型はゆっくりとMさんの車に歩いて近づいてきます。危険を感じたMさんは車を発進させようとしましたが、エンジンがかかりません。「これまでか…!」 …はっと気づくとまばゆい光は無くなり、人型の姿も消えていました。Mさんが戸惑いながら車内を見回すと、助手席のシートに小さな箱とカードが置かれていました。箱の中にはMさんが前から欲しかった腕時計が入っており、カードには「メリークリスマス」と書かれていたそうです… という話ではありません
先週末クルマで買い物に行き、駐車場に戻ってきたところ、助手席のドアに生クリーム(ホイップクリーム)がついていました。
最初は何か白いゴミでもついているのかと思いましたが、触ってみるとどうも生クリームです。
この生クリームは、助手席側ドアの下半分の真ん中あたり(地上50cmほど)に進行方向から斜め下に切り下がるようについていました。
ソフトクリームの先端を筆代わりにはらい下ろした感じ、とでもいいましょうか。
しかし触った感触はソフトクリームではなく、生クリームのものでした。
私はこれまで何台かのクルマに乗り、いろいろな場所に出かけましたが、生クリームがついていたのは初めてでした。
もちろんハチミツや醤油だってかけられたことはありません。
それにしても、なぜ生クリームが私のクルマについていたのでしょうか?
1)ソフトクリームを生クリームに代替えしたものを手にした元気な子供が、はしゃいでふりまわしたため、生クリーム部分が飛んでしまい、たまたま私のクルマに当たった。
…子供がはしゃぐのはよくあることですが、代替えソフトクリームはかなり特殊な状況だと思います。
2)ソフトクリームを生クリームに代替えする専門業者が、はしゃいでふりまわしたため、生クリーム部分が飛んでしまい、たまたま私のクルマに当たった。
…生クリーム代替え業者であればそういったものを持っていることはあり得るでしょう。ただそれなりの大人がソフトクリームを持ってはしゃぐというのは特殊な状況だと思います。加えて私は生クリーム代替え業者という存在を見たことも聞いたこともありません。
3)クリスマスケーキをくわえた中型犬が私のクルマのそばを通った時に、ドアをかすめ、生クリームがついてしまった。
…先週末のことですから、クリスマスケーキが出回っていたとしても不思議ではありません。また生クリームがついていた高さから見ると、犬のしわざだということも十分考えられます。ただ犬がクリスマスケーキをくわえて駐車場をウロウロするというのは特殊な状況かもしれません。
4)クリスマスケーキをくわえた大型の猫が私のクルマのそばを通った時に、ドアをかすめ、生クリームがついてしまった。
…上記の猫バージョンですが、大型の猫が駐車場をウロウロしていたら、それは猛獣に近いと思います。猛獣がクリスマスケーキをくわえているのも妙ですし、なにより猛獣がウロウロしていたら別の事件です。
5)私のことをつけ狙う巨大犯罪組織の美人ヒットマンが、私の恐怖心を煽るために生クリームをこすりつけた。
…恐怖心を煽りたいという必然性があるのなら、ある種納得できる理由です。ただ生クリームで恐怖を感じたことがないので、この美人ヒットマンの作戦は失敗しています。あと私は巨大犯罪組織に追われていないと思います。
6)クリスマスに近い週末、できるだけ大勢の人に幸せを届けようと考えた富豪の篤志家が、あまりに多くの人を対象にしようとしたため、上空から大量の生クリームカプセルを散布させるという考えにいたり、私のクルマにそれがヒットした。
…案外これかもしれません。そう考えると1円玉を散布されていたらクルマにキズがつくので、生クリームでよかったと思います。