新しい量子チップが発表されました。
このチップは、現在の世界最速のスーパーコンピュータが100垓年かかる問題をわずか5分で解決できるそうです。
そう聞くと、驚異的な性能を持つ未来のコンピュータを想像してしまいますが、実はそう単純ではありません。
このように古典的なコンピュータよりも圧倒的に速く計算できるのは、効率的なアルゴリズムが存在する非常に限られた問題(たとえば素因数分解やフーリエ変換など)に限られています。
量子コンピュータについて少し調べてみると、「ここまでの労力をかけて開発する価値があるのだろうか?」と疑問が湧いてくることもあります。
しかし、大企業が次々と研究開発に取り組んでいる現状を見ると、近い将来にその価値が証明される期待があるのかもしれません。
個人的には、量子コンピュータの魅力は「役に立つかどうか」だけではないように感じています。
それはまるで、現実世界をゲームのグリッチ(ゲーム内のバグを利用した裏技)で揺さぶっているような、不思議な感覚をもたらしてくれる技術だからです。