皆さんは、「クオリア」という概念をご存知でしょうか。
クオリアとは、簡単に言うと、私たちがゴリラをみたときの「ゴリラという感じ、質感」のことです。
もちろん、私たちの目に「ある動物の体に反射した光」が入ることで、脳はそれを分析してゴリラであると判断しています。しかし、脳が受け取ったのは「ゴリラである」という信号であり、「ゴリラ」そのものではありません。このゴリラ(という質感)は、一体、どんな仕組みで、どこからやってきたのでしょうか?
例えば、あなたがゴリラを見て指さして「この動物は何?」と聞き、私が「ゴリラ」と答えたとします。
このとき、あなたと私は「ゴリラというクオリアを感じている」ということになりますが、あなたが感じている「ゴリラのクオリア」が私と同じであるかどうかは、確かめようがありません。
もしかしたら、あなたが「ゴリラ」に見えている動物は、私には「パラサウロロフス」に見えているかもしれないからです。
「今見ているゴリラって、チンパンジーよりも体が大きくて頭部に突起がありますよね」と説明しても無駄です。
私にはチンパンジーが「ハドロサウルス」に見えているので、「そうですね、チンパンジーよりも体が大きくて頭部に突起がありますね」となるだけなのです。
このクオリアの謎は、科学的に説明がつくものなのかどうかいまだにはっきりしていません。