私の家のベランダには、元気に葉を伸ばすパイナップルの鉢植えがあります。
本来南国で過ごす彼女(パイナップル)がここに存在出来るのには、知られざる困難と工夫が秘められていたのでした。
時は遡りまして2年前の春、私はパイナップルはヘタから育てることが出来るという噂を耳にしました。
そこで、自宅のキッチンの三角コーナーに捨てられていたフィリピン産のパイナップルをサルベージし、ベランダで栽培することにしました。
甘酸っぱい夏の日々を共に過ごし、二人はすくすくと成長しましたが、その年の冬、パイナップルは努力空しく枯れてしまいました。
調べてみると、熱帯出身の彼女たちは気温が5度を下回ると枯れてしまうようです。
悲しみに暮れる私でしたが、また同じように1年前の春、現在の彼女(石垣島産パイナップル)と出会いました。
今度こそ枯らさない、と意気込む私は彼女(パイナップル)を家の中に入れたい、と家族へ頼みましたが、虫が湧くからダメ!と、NGを食らいました。
しかし、私はあきらめませんでした。
あくる日も考えた私は、断熱性のある大きな発泡スチロールの箱に植木鉢ごと入れる策を思いつきました。
そして…、今年は名古屋が暖冬のお陰もあって、彼女(パイナップル)と冬を越すことが出来たのでした。